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──最初にインターネットに触れられたのはいつ頃ですか?
長谷川:93年からアメリカの高校に留学していまして、そのときに向こうで一緒だった日本人留学生に教えてもらったんです。「これが世界中に繋がっているのか、恐ろしいな」と思いながらも、すごく感動したのを覚えてますよ。
その頃ちょうどアートやデザインの賞を何度かとっていたこともあって、自分の絵を Web サイトに載せられたらいいだろうなと思ってました。
──では、ご自身のホームページを初めて作ったのはいつ頃ですか?
長谷川:大学に入った96年に『HTML for DUMMIES』という本を読んで、本格的に Web サイトを立ち上げようと動きはじめました。でも Web デザインって、写真の加工はどうしたらいいのかとか、写真のスキャンはどうやるのかとか、作業の連鎖反応を起こすんですね。そうするうちにどんどんのめり込んでいって、出来上がったのは96年の暮れ。古典的な HTML と、当時まだ出たばかりの JavaScript を交えた最初の Web サイトを立ち上げました。まず僕の絵があって、「こんにちは、ここは○○のホームページです」みたいなの(笑)。
──大学卒業後、アメリカで就職し Web デザイナーとしてご活躍されていたとのことですが、99年に CSS が登場したときにはどのような印象を受けられましたか?
長谷川:確かに便利で、HTML にはできなかった画期的な機能のいくつかには衝撃を受けました。ただ、そのときはまだ CSS をどんどん活用していこうとは思わなくて、「自分は HTML メインでいいや」って感じでしたね。
──現在では、CSS を使って作られたココログなどのブログを数多く目にするようになりましたが、ブログ以外のサイトでも CSS の普及が進んでいるという実感はありますか?
長谷川:そうですね。僕のところでは、最近になってやっと table デザインでの案件がひとつもなくなりましたし。確実に普及してきていると思いますよ。
それにしても、CSS のおかげでデザインはずいぶん楽になりましたね。HTML は特に table でのレイアウトがめんどうで。ちょっとしたスペースを空けるためにもうひとつ table を作らなくちゃいけないなんてことがあると、それだけでイライラしちゃったり。
──では、長谷川さんご自身が HTML でのデザインから CSS でのデザインへと移行される大きなきっかけというのはなんだったのでしょうか?
長谷川:「Wired News」が2002年に CSS デザインに変わったんですね。それに続いてスポーツチャンネルの「ESPN」も CSS デザインになった。CSS 未対応のブラウザーもまだ多くあるなかで、これだけ大きなサイトが CSS でサイトを組んだことに、かなり大きなショックを受けました。この辺りで「これはもう HTML から CSS に移行しないと駄目だ」と思ったんです。
──「HTML でもできることをなんでわざわざ CSS でやるの?」と思われている方もまだ多くいらっしゃると思います。そこで、CSS の利点を説明していただけますか?
長谷川:たとえば、写真をマウスオーバーすると「拡大できます」マークが出てクリックすると大きな画像になる、といった演出をしたいとします。普通であれば、そこに表示される写真と、「拡大できます」マークのついた写真の2つを用意する必要があるんです。でも CSS の場合、写真をひとつと「拡大できます」マークだけの画像をひとつ作っておけば、その2つを重ねることで同じ演出ができるようになるんです。それから後はいくら写真が増えても用意する画像は1枚だけ。手間もそうですが、データ量も少なくなるので、サーバの運営コストなどを考えても、CSS にして損するようなことは何もないんですよ。CSS 未対応の古いブラウザーにしても、HTML とうまく混ぜればサイトを構築すれば問題は解決できますし。もちろんこの他にもいろいろな効果が簡単に実現できるので、CSS を使うことで表現力がかなり増すと思いますよ。
──CSS の入門書ともいうべき『スタイルシート スタイルブック』を執筆されることになったのはどういったいきさつからですか?
長谷川:去年出た『ブログ入門』(翔泳社)という本の帯を書いた有坂さんに誘われたのがきっかけです。僕のブログを見てくれていて、僕だったら協力してくれるのではないかと思ってくれたそうです。ほんとに幸運でしたね。この本のおかげで言いたいことが言えましたし、それに仕事も増えました(笑)。 |