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枡野:僕はテレビ番組の『爆笑問題のススメ』が好きで、眞鍋さんのことは前から気になっていたんですよ。そんなとき、人にすすめられて「眞鍋かをりのここだけの話」を読みはじめて、なんて変な人なんだろうと思うようになった(笑)。
眞鍋:テレビだと、身近な面白いことや私なりの伝えたいことがあっても、テーマにあわないと喋れないし、時間も限られていてなかなかうまく伝えられない。それがフラストレーションになってたんです。言葉の選び方とか、自分にあった表現方法ってあるじゃないですか。そのあたりが自由にできると思って、ココログをはじめてみたんですよ。ただ、私のことを知らない人でも読めるようなものを書きたかったので、日記を書いても意味ないと思ったんです。
枡野:ファンだけじゃなくて、自分のことを知らない人にも楽しんでもらいたいっていう意識がすごいですね。
眞鍋:自分のまわりにも、おもしろい出来事やちょっとしたブームってあるじゃないですか。普通ならそれは仲間内だけで終わっちゃうものだけど、ブログを使えば全国のみんなで楽しめるんだから、もっと多くの人たちで共有できればいいと思うんですよ。私は2ちゃん用語を友達とのメールで使ったりしますけど、それだって全国的な仲間内で生まれた言葉遊びですからね。
枡野:ネットにはそういう可能性がすごくある。僕の知り合いに宮崎吐夢さんていう俳優さんがいて――
眞鍋:「ペリー」の人(※)ですよね! 「カイコクシテクダサイヨ~」って大好きなんですよ(笑)。
枡野:あ、それを聞いたらご本人も喜ぶんじゃないかな。ただ、宮崎吐夢さんは天才的才能がある反面、ちょっと不遇な印象もあって、「ペリー」がいくら人気になってもそれで儲かったわけじゃない。でもネットであれだけ話題になって多くの人が知ってるってことは、それが純粋におもしろかったからですよね。
眞鍋:ネットの世界って、やってる人じゃないと通じない笑いのツボみたいなのがあるじゃないですか。そうじゃない人に「これ見て! 絶対これいいから」ってお気に入りの Flash を見せても「ふーん」で終わったりして、「こいつとは仲良くなれない」って思ったり(笑)。そこの基準って大事なんですよね。表面的なことのようで深いところじゃないですか。
枡野:そうかもしれない。すぐにわかっちゃいますよね、敵か味方か(笑)。僕は最初、ブログは「優しい2ちゃんねる」みたいなものだと聞いてたんですよ。ツッコミが入るというし、何を言われるのかわからない感じがあって。眞鍋さんはそういうのはこわくなかったですか?
眞鍋:こわいというよりも楽しみでしたね。「2ちゃんねる」って身元を明かしてないから、みんな好き放題に書いているけど、ブログだったらある程度身元が明かされているから、コミュニケーションがちゃんと成立するじゃないですか。
枡野:僕は、ひとつのツッコミに対して別のツッコミがどんどん入っていく、というのが意外でおもしろかった。自分の発言に対して誰かが反論してきたときに、その再反論を誰か違う人がしてくれたりするんですね。
眞鍋:それはありますよね。私も携帯で『ファイナルファンタジー』をやってるって話を書いたんですけど、その後にテレビで見せた携帯が『ファイナルファンタジー』のできない機種だったんですね。そしたらトラックバックのなかに「そういうところで自分で書いてないってことがばれちゃうんだよな」って書かれたのがあったんですよ。私はただ単にあの記事の後に機種変更をしてただけだったんですけど、それに対して「携帯を2個持ってる可能性だってあるんじゃない?」ってトラックバックを入れてくれた人がいたんです。
枡野:携帯といえば眞鍋さん、携帯でもパソコンでも更新されてるようですけど、機械には強いほうですか?
眞鍋:強くないんですよ。ちょっとでもおかしくなるともうパニックで。
枡野:それでもブログがやれるってのはいいことですよね。僕はシャレにならない機械音痴なんですけど、ブログに限らずパソコン全般って、そういう機械音痴にとっては、まだまだ過渡期の道具だと思うんですよ。おじいちゃんやおばあちゃんでも使えるくらい簡単になったときが本当の勝負だと思いますね。
眞鍋:ブログの世界って、知ってる人はすごい知ってるけど、若い人でも全く知らない人もいるじゃないですか。でもそのうち、1人がひとつブログを持つみたいな感じになってもいいんじゃないかと思いますね。「mixi」みたいな感じでブログ同士がつながったりとか。ブログって本当に人間的な係わり合いを持てるツールだと思うんですよ。
枡野:ええ。ただ、まだちょっと敷居が高いのかもしれない。僕の印象だと、今は比較的賢い人ばかりが集まってる気がするんですよ。論争になってもちゃんと説明すると通じることが多いですし。もっと、いい意味でいいかげんな、インテリから遠い人が関わってくれると、もっとおもしろくなる気がします。短歌の投稿とかは。
眞鍋:私はトラックバックしてくれる人たちの年齢層が意外に低くてびっくりしました。はじめは20代から40代の人からのトラックバックが多いのかなと思ってたんですけど、半分くらいは同い年か年下なんですよ。「眞鍋さん同い年だったとは」とか、「明日は受験だ」とかいうトラックバックがあったりして。
※ペリーの人(宮崎吐夢)
大人計画所属の俳優。松尾スズキ、宮藤官九郎に続く「大人計画、第三の男」と呼ばれる。雑誌『TechWin』の付録CDに収録された「ペリーのお願い」(来航したペリーが鎖国中の日本に対して「開国してください」と延々ぼやく音声コント)がネットで大流行した。DVD『男社会』(制作=大人計画)やCD『宮崎吐夢記念館』(ミディ)を皮切りに音楽活動も。コラムニストとしても評価が高く、著書にDVDブック『今夜で店じまい』(講談社)、篠崎真紀との対談『恋人でもないのに…』(マガジンハウス)がある。 |