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倉田光吾郎「なんでも作るよ。」
西洋鍛冶師として、鉄を使った作品を精力的に発表している倉田さんの制作日誌。昨年、『装甲騎兵ボトムズ』の主役ロボ「スコープドッグ」を1/1スケールで作るというプロジェクトで話題となり、一躍人気ブログの仲間入りを果たした。
ブログを書籍化した『タタキツクルコト』の詳細は「ココログブックスニュース」をご覧ください。 |
――「なんでも作るよ。」はスタートから話題になるまでがものすごく早かったのですが、実際にはどれくらいの反響があったのでしょうか。
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噂の1/1スコープドッグ
(『タタキツクルコト』より) |
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倉田:「ブログは横の繋がりができやすくて話題になりやすい」とは聞いていたんですけど、はじめてすぐにアクセス数が10、20、500という感じで跳ね上がっていったのを見て驚きました。その影響もあって、少し遅れてスタートした「Monkeyfarm なんでも作るよ。」はさらにすごかったですね。ちょっと時間をおいて見るたびに1万づつページビューが増えていって、結局その日だけで20万。ビビって夜眠れなくなっちゃいました(笑)。
――その反響は予想されていましたか?
倉田:「そこまで反響があるんだ……」って感じですね。だって平たく言ってしまえば、ただのデカイプラモデルですもん。
――平た過ぎますよ!
倉田:出来上がりを見ると重そうに見えますけど、総重量はせいぜい2トンくらい。それだったら大きい自動車の方が重いし、3.8メートルの大きさといっても建物に比べれば小さいですから。そう考えると、僕が思うおもしろさとは別の部分もおもしろがってもらったことで、想像を超えた反響になったんでしょうね。
――では、ブログ以前に運営されていたホームページはどういうものだったのでしょうか?
倉田:今のサイト(「Monkeyfarm なんでも作るよ。」)はブログとほとんど同時期に開始したもので、内容もブログに近い柔らかいトーンなんですけど、それ以前のサイトはやや堅い感じだったかもしれないですね。最初にサイトを作ったのは、2年ほど前にドイツに1年間行くことになったのがきっかけでした。でもドイツ語なんてほとんど喋れない状態で、このままじゃせっかく向こうへ行っても自分がこれまでどういうものを作ってきたのか説明できない。そこで作品をどこでもすぐに見せるられるようにとホームページを立ち上げたんです。サイト作りは大変で、詳しい友達につきっきりで教えてもらいながらどうにかって感じです。ただ、作品説明などの文章を全部画像で作ってしまったため、検索に全然ひっかからない(笑)。当たり前ですけど、説明部分はテキストで作っておいた方がいいですね。
――これまでのホームページとブログで、作り方に違いはありましたか?
倉田:やっぱりブログはすごく楽ですね。最初の形さえ作っちゃえば後は記事を書くだけなので、以前のように友達につきっきりで教えてもらう必要もありませんでした。コメントやトラックバックもやる気が出るからいいですよね。自分の作品を見てくれているのがわかるってすごくうれしいじゃないですか。ただ、作業に関して具体的に書いた記事だと、あまりコメントがつかないんですよ。逆に力を抜いてくだらない記事をアップしたほうが、コメントをいっぱいもらえるみたいです。具体的な作業内容になると、専門的すぎてコメントしづらいのかなと思います。だから、普通のサイトというよりも、コミュニケーションのツールとして使っているかもしれませんね。
――ブログをはじめたことで、作品作りに影響はありましたか?
倉田:作ってる側からすると、一番おもしろいのは製作の過程そのものなんです。完成品からは伝わらない、おかしなエピソードがたくさんあって。友達に手伝ってもらうときには、「おもしろかった」とか「大変だね」といった感想をもらえますけど、それはごく限られた範囲でのことじゃないですか。ブログならそれを多くの人に見てもらえる。ただ、今回はスコープドッグという題材が特殊過ぎたので(笑)、これまでと比較してモノ作りに影響が出たかどうかはちょっとわからない。次に何か作るときに、今度は発想の部分から見せていく、ということはあるかもしれません。だから影響が出るとしたら次からかもしれないですね。
――「題材が特殊だった」というのは、具体的にはどういうことでしょう。確かに1/1ロボは特殊ですが……。
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スコープドッグ製作中
(『タタキツクルコト』より) |
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倉田:作品を作っていくうえで、出来上がりがかっこいいのかよくないのかわからないまま続けるのは精神的にかなり大変な作業なんですね。だから僕は作品の製作過程を人に見られるのがすごく嫌だったんですよ。「何作ってるの?」って言われるとカチンときたり(笑)。それでちょっと疲れちゃって、必ずかっこいいのが出来上がるとわかってるものを作りたくなったんです。スコープドッグは最初から完成形が見えているじゃないですか。今までのようにデザインや発想から自分でやるわけではないから、製作過程を見られるのが嫌ということもない。そこがこれまでと違うところですね。そういう意味で今回は特殊だったし、ある意味息抜きプロジェクトだったとも言えますね(笑)。
――巨大ロボに興味がなかったとしても、鉄をどうやって加工していくのかという過程がわかるのはおもしろいですよね。
倉田:そう言ってもらえるのはうれしいですね。ブログを見たことで鍛鉄に興味を持ったというメールももらいますし。あとは女性からのメールが、もう少しあるとうれしいな……なんて。今は9対1くらいの割合で男性からのメールが圧倒的に多いですから(笑)。 |