――「ココログツナガリ展」への参加やココログブックスでの書籍化など、ブログがきっかけとなってさまざまな活動を展開されていますが、他にはどんなメリットがありましたか。
倉田:普通の生活では知り合えないおもしろい知り合いが増えたことですね。たとえばスコープドッグのコクピットを作ろうというときに、「このロボットは軍用兵器だから椅子はそんなに豪華なものじゃないよね、実際の戦車はどうなんだろう」と書いたら、戦車の整備をしている人から連絡があったりとか(笑)。他にも今回の展覧会のために必要な職業の人たちを募集したんですけど、これまたおもしろい人たちが集まってくれました。フォークリフト技師なんだけどゼネコンの破壊検査をやってる人がいて、「重みで床が抜けたりしないかな」と聞いたら「大丈夫、壊したことあるからわかる」と。疲れたときのためにマッサージの方も来てくれるっていうし、飛行機の整備士とかミサイルの発射免許持ってる人までコメントをくれたり。「別に戦争をおこす気はないよ」っておもしろがっています(笑)。
――スコープドッグの中身まで作れそうですね。
倉田:ほんと、夢が広がりますよ。こういう人たちとの繋がりがほんとにおもしろいですね。
――スコープドッグの制作にあたって、サンライズさんとの連絡がかなりスムーズだったそうですが。
倉田:ほんとにありがたかったです。作りはじめる前に版権くださいなんて言っても「なんだコイツ?」って思われるので、ある程度進んだところで「今こういうモノを作ってるんですが」と連絡を入れようと思っていたんですね。ところが、ブログをはじめて3日目くらいにサンライズさんのほうからメールが来たんですよ。
――早い!
倉田:それもすごく好意的な内容で、ぜひ現物を見たいと。それで急いで電話をかけて、連絡遅くなってごめんなさいと謝って(笑)。おかげさまでサンライズさん公認です。この前は『タタキツクルコト』の合同取材で高橋良輔さん(『ボトムズ』監督)や大河原邦男さん(同メカデザイナー)たちにもお越しいただきました。そのとき、せっかくだからと大河原さんにはデザイン上わからないところを色々と教えていただいたんですけど、すでに作っちゃったところに「ここが違う」というツッコミを受けて、「まじぃ……」と(笑)。なにせデザインされたご本人ですからね。
――海外での反響はいかがですか?
倉田:作品によってウケる地域が異なるんですよ。ボトムズは中国や韓国を中心にタイとかベトナムとか、とにかくアジア圏だけ。欧米ではむしろチンクタンクやタイプライター風パソコンが受けてますね。
――そのタイプライター風パソコンですが、もしあれを発注したら、おいくらで作っていただけるんでしょうか?
倉田:よく聞かれるんですよ(笑)。でもあれはキーのひとつひとつに機械式のスイッチを仕込んでいて、構造上、1万回くらい叩いたら壊れちゃうんですよ。仮に100万とか200万で売ったとしても、1万回なんてあっという間ですから、頻繁に修理が必要になる。修理保証なんてしてたら大変なことになりますからね。だからこれに関してはお茶を濁します(笑)。
――なるほど……。いつか金持ちになったら、と思っていただけにちょっと残念です。では最後に、モノ作りをしている人たちにとって、ブログを活用することのメリットを教えてください。
倉田:モノ作りのおもしろさって、作品を見てくれた人が感じた何かを返してもらったり、それを糧にまた新たなモノを創造するのも魅力としてあると思うんです。だから、コメントやトラックバックでダイレクトにメッセージがもらえるブログはすごくいい場ですよね。テレビや雑誌でも過程を見せることはできるけど、それだと文字数や時間にすごく規制が入るじゃないですか。でもブログなら、言いたいことを言いたいだけ言える。もちろん、言いすぎたことで問題が生じる場合もあるかもしれないけど、全部自分でコントロールできるというところがおもしろいと思いますね。
――ありがとうございました。 |