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「うるわしのブルターニュ」
市絛三紗さん
日本ではまだまだ馴染みの薄い、フランスのブルターニュ地方。現地で暮らす市絛三紗さんのブログは、歴史や文化、風習についての丁寧な解説が付いています。ガイドブックのように役立つ情報が満載! |
――ブルターニュの様子を伝えるブログを開始したきっかけは、どういったことからなのでしょうか?
市絛:日本にいる友人たちから、いつも「どこに住んでるの? そこでは何が有名なの?」と聞かれるのですが、丁寧にブルターニュのことを話しても、半年くらい経つと「パリの暮らしは楽しい?」と言われるのです。それほどブルターニュのことは知られてないし、毎回同じことを説明するのも大変なので、ブログでブルターニュについて伝えることにしたのです。ちなみに私は2000年からブルターニュで暮らしています。ケルトの末裔が今なお暮らしていて、フランスでも特異な伝統が残っている地域です。 |
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澄み切った青空のもとに建つジョスラン城。厚い外壁が要塞のようにそびえたち、外敵の侵入をはばむ。 |
――ブログを見てもらえれば、もう「パリはどう?」なんて聞かれなくてすみますよね。他にもブログを運営していることで、お友だちやご家族とつながっていると実感されることはありますか?
市絛:なかなか個人的な連絡はできないのですが、ブログは毎日のように更新していますから、日本にいるときよりも私の日常生活のことを知ってもらえているようですね。「口内炎で暖かいものや固形物を食べられなかった」ことを書いたら、「ご飯食べてなくて大丈夫? もう口内炎直った?」などとメールをもらったのですが、日本にいたら口内炎ができたことなんてわざわざ連絡しないな、と思いました。そんなことでも記事にできるのが、ブログの良さですよね。でも、ブログは世界中の人がアクセスできるわけですから、あんまり下らないことを書くと恥ずかしいですね(笑)。
――ブルターニュの地元ネタを記事にする際、注意している点などはありますか?
市絛:固有名詞はなるべくフランス語と日本語(カタカナ)の両方で表記するようにしています。ブルターニュの地名はブレイス語(※)を語源とするものも多く、フランス語と読み方が違うのです。
――読み方も綴りもわかるので、これは旅行する人にとっては非常に便利ですね。
市絛:ただ、読み方は何度書いてもいいのでしょうが、地名の詳細な解説をその度に繰り返すと、毎日読んでくれている人にとってはくどくなってしまうかもしれません。でも、数日前のエントリーはトップページからは見えなくなってしまうので、そのあたりの書き方は難しいですね。 |
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アーサー王の伝説が残るブロセリアンドの森。「帰らずの谷」、「コンペルの湖」、「魔術師メルランの墓」などがある
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――頻繁に出てくるけど、日本人にとっては馴染みの薄い地名や固有名詞などは、それ専用のエントリーを作っておいて、毎回記事中からリンクをはるというのもいいかもしれませんよ。その他、海外滞在者がブログを運営するにあたって、日本にいる人に地元のことをわかりやすく見せるコツはありますか?
市絛:地図を表示するといいと思います。また、気温や天気もよく聞かれるので、天気図を貼り付けています。それともちろん、写真があった方がいいですね。訪れたことがない人にも写真を見てもらえれば、それなりのイメージをつかんでもらえると思います。
――こんな内容の記事だと盛り上がる、というのはありますか?
市絛:食べ物のことを書くと、とても盛り上がりますね。コメントがいつもの倍以上になります。それから最近盛り上がったのは「全自動トイレ」の記事でした。食べ物もトイレも全世界共通のものだけに、各国の違いも含めて誰でも話題にできるからでしょうね。
――なるほど。地元では身近な食べ物でも日本では珍しかったりするので、普通に紹介するだけでも、みんなであれこれ話題にできそうですよね。海外でブログを運営することには、どんなメリットがありますか?
市絛:海外にいるということで、ヨーロッパや中近東、南米などに住んでいらっしゃる日本人ブロガーの方々と仲間意識ができて、コメントのやりとりがはずむことですね。彼らとの交流を通して、私自身が世界旅行をしているような気分にも浸れます。 |
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赤みがかった花崗岩の巨石がごろごろしているペロス・ギレックの海岸。この地域一帯もアーサー王伝説が多い |
――いいですねえ。では最後に、まだ訪れたことがない人に向けて、ブルターニュの魅力を教えていただけますか?
市絛:ブルターニュには高い山がないので、遠くまで見渡せます。大地に沈む夕陽を見ることができて、とても気持ちがいいです。海岸線沿いも数キロごとにガラッと景色がかわり、のんびりバカンスを楽しむには最適の場所ですよ。
※ブレイス語
ブルターニュ西部で話されていたインド・ヨーロッパ諸語、ケルト諸語の言語。ヨーロッパ大陸に現存する唯一のケルト語。 |